創刊111年の歴史 ハワイ報知が廃刊
方言ニュース
2023年12月13日(水)放送分
担当は上地和夫さんです。
琉球新報の記事から紹介します。
アメリカハワイ州で唯一となっていた
日本語の日刊新聞「ハワイ報知」が、
創刊111年の記念日に当たる7日付の
新聞を最後に廃刊しました。
沖縄から多くの人々が移民として渡ったハワイ。
ハワイ報知の創刊は1912年12月で、
異国の地で多くの困難を乗り越え、
戦禍にも直面した県系人らにとって重要な
情報源となってきました。
ハワイと沖縄、
日本を結ぶ新聞としてニュースに加え、
琉歌や短歌、小説など文学作品も掲載しました。
戦後は沖縄で焦土と化した沖縄の苦難も
伝えました。
48年、食糧難の沖縄へハワイの県系人らが
豚550頭を送った救援活動も、
ハワイ報知などを通して故郷の苦しみを
知ったことも大きかったということです。
長年、沖縄文学の調査、研究を続ける中で
ハワイ報知も活用してきた元琉球大学教授の
仲程昌徳さんは
「ハワイの県系人にとっても、
ハワイのことを知りたい沖縄の人にとっても
痛手」と残念がっています。
戦前や戦中、戦後の沖縄関係の動向が分かる
貴重な記録として県内で
読めるようにしてほしいと考える仲程さん。
「マイクロフィルムの形でもいいので、
県立図書館などで読めるようにして、
こうした新聞があったという痕跡だけでも 残したい」と思いを込めていました。