2024年8月19日(月)放送回
担当は上地和夫さんです。
琉球新報の記事から紹介します。
琉球王府の祭祀をつかさどった最高位の神女・聞得大君が
使用したとされているかんざしで、
国の重要文化財に指定される見通しとなった
「金銅雲龍文簪」の特別展示が来月9月1日まで、
那覇市の県立博物館・美術館で行われています。
国の文化審議会が今年3月、
国の重要文化財に指定するよう
盛山文部科学相に答申したもので、
今後、官報の告示を経て正式に指定されることを受け、
特別に一般公開します。
かんざしは戦前、首里城近くの中城御殿に保管されていました。
沖縄戦の混乱のさなかにアメリカ軍人により持ち出され、
一時所在が分からなくなっていましたが、
1953年のペリー来琉100年を記念して、
同じくアメリカへ流出していた
『おもろさうし』などの資料と共に返還されました。
カブと呼ばれる直径10・8センチの飾り部分と、
髪に差す茎部でできているかんざしには
日輪=太陽と雲が、側面には雌雄の龍と波が描かれているほか、
漆工芸など王府伝来の遺品に多く見られる
「天」の字を形象化した印が3箇所に刻まれています。
博物館班歴史分野学芸員の大城直也さんは
「琉球王国時代の金工技術の粋を集めた
かんざしを、ぜひこの機会に見学してほしい」と呼びかけました。