
2026年5月18日(月)
担当は上地和夫さんです。
琉球新報の記事から紹介します。
第39回三島由紀夫賞・山本周五郎賞の
選考会が14日、東京都内で開かれ、
三島賞に那覇市出身の豊永浩平さん23歳の
小説「はくしむるち」が選ばれました。
三島賞の県内出身者の受賞は初めてで、
琉球大学在学中のおととしに発表した
デビュー作「月ぬ走いや、馬ぬ走い」で
群像新人文学賞、野間文芸新人賞を
受賞しています。
「はくしむるち」は、
現代を生きる「オタク」の少年と、
元鉄血勤皇隊員で大叔父の人生が
交差しながら展開するストーリーで、
時代を超えて沖縄の若者たちをのみ込む
暴力のありようと、その連鎖に立ち向かう姿を、
音楽やアートなどを交えながら
疾走感ある筆致で描き上げました。
豊永さんは「過去のことだけを書くと、
歴史上の悲惨な出来事として現代の読者に
線を引かれてしまう可能性がある。自分の好きな
サブカルチャーを入り口にすることで、
過去と現代とを接続できるのではと考えた」と述べ、
「アメリカ軍基地や政治状況によって
線を引かれている人たちがいる。
硬直した線や壁を撹乱したいと思い小説を書いた」
とも語りました。
選考委員の多和田(たわだ)葉子(ようこ)氏は
「沖縄の歴史と現代をよく描いている。
サブカルチャーと古典的教養の両方を併せ持った
非常に視野が広い小説だ」と講評しました。
(了)